相続時の経営に空白期間をなくしたいというケース
(1)背景
ご相談に来たオーナー社長は、仕事が生きがいであり、生涯現役を掲げています。しかし、自身に万が一のことがあった場合には、後継者である息子に任せたいと思っています。勿論、自分が元気なうちは経営は自分がしたいと思っており、自社株式を贈与はまだしたくないとご相談にきました。
(2)課題
こちらの会社では、オーナー社長が100%の自社株式を保有しています。この状況下で、仮にご相談にきたオーナー社長が事故や病気になってしまい、意思能力や判断能力がなくなってしまった場合には、株主総会の決議をすることができず、会社の経営がストップしてしまいます。
(3)解決策
遺言代行信託を利用した、自益信託スキームを活用する。つまり、オーナー社長(委託者)が自社株式に対して信託を設定し、自身が受益者となります(自益信託)。そして、オーナー社長が亡くなった場合には、後継者が受益権を取得することを定めた信託契約を設定します。
(4)効果
効果としては以下の二つがあります。①オーナー社長の生前は、経営権を持ち続けることができます。そして、経営者に万が一のことがあった場合には、後継者が確実に経営権を取得することが出来ます。②オーナー社長の相続の開始と同時に後継者である息子が受益者となるため、経営に空白期間をなくすことができます。この効果は、遺言を設定した時よりも早いです。
