娘婿を後継者に考えているが不安であるというケース
(1)背景
A社の社長が会社の跡継ぎのことで相談にきました。その社長には、息子はおらず娘だけでした。娘が結婚した後に、娘婿に会社を引き継ごうと考えております。ただし、最近は離婚も多く、もし自社株式を渡した後に離婚になったらと不安に思い、相談にきました。
(2)課題
後継者として娘婿に自社株式を贈与してしまった後で、離婚になった場合は、会社は赤の他人となってしまった娘婿のものとなってしまいます。それでは、このような状況を防ぐためにはどのような解決策があるのでしょう?
(3)解決
策自社株式に以下のような信託を設定することで解決することができます。委託者:社長受託者:娘婿受益者:娘
(4)効果
自社株式に信託を設定することで、議決権を行使する権利と株の配当を受ける権利とに切り分けることができます。そして、会社を引き継いでくれる娘婿を受託者し、議決権を行使してもらいます。一方で、配当を受ける権利等は受益者として娘に設定することで、財産を受け取ることができます。もし、娘夫婦が離婚することになった場合には、即座に信託を終了させ、自社株式の所有者を受託者である娘于個から受益者である娘へ移転させることができるような信託にしておきます。このように、自社株式に信託を設定することで、万が一娘が離婚した場合でも、会社が他人のものになることはありません。
